ご挨拶
第20回日本口腔ケア学会総会・学術大会
第3回国際口腔ケア学会総会・学術大会
大会長 川又均
第20回日本口腔ケア学会総会・学術大会/第3回国際口腔ケア学会総会・学術大会 合同会議を獨協医科大学医学部口腔外科学講座の主催(大会長:川又均,副大会長:小松富恵,準備委員長:和久井崇大)で,一橋講堂(東京都)にて開催させていただく運びとなりました.本大会は第31回日本医学会総会(春日雅人会頭)と連携する形で開催し,春日雅人会頭に本大会の名誉大会長をお勤めいただきます.本大会において共催シンポジウム(フレイルドミノを止めるために)を開催,両大会の参加者に相互参加を促進し,日本医学会総会において口腔ケア関連ブースを設置し日本医学会総会参加者に口腔ケアを啓発させていただく予定にしております.
日本口腔ケア学会の総会.学術大会は第20回目の節目の大会であり,学会として成人式を迎えることになります.長年の本学会の口腔ケア啓発活動により,医療者ばかりか一般の人にも「口腔ケア」という言葉と概念は認知されるようになりました.口腔ケアを推進するためのキーワードは「多職種連携」であります.本大会のテーマは「口腔ケア 集合知の創造」とさせていただきました.「集合知」とはもともと,情報科学の言葉のようです.Wikipediaに代表されるフリーの多言語インターネット百科事典は,「集合知」の最たる物だと思います.エディターは存在せず,ユーザーによって書かれ,常に改訂が行われ,自然淘汰というか人為淘汰によって正確性の高い情報が蓄積されていきます.口腔ケアにおいても,その概念,システム,手技,効果に関して,医療者だけではなく,他の領域の専門家,患者さん,一般の人から,「集合知」を創造していかなければならず,そのプラットフォームに日本口腔ケア学会がならなければいけないと思っております.また,口腔ケアの効果は,ほのかなものです.そのほのかな灯を集めて,さやかな光にするために知恵を集めなければなりません.
本大会では,名誉大会長の春日雅人先生頭にご挨拶をいただき,基調講演としては日本歯科医学会副会長の川口陽子先生に「オーラルフレイル ~早期発見と予防対策について~」についてのご講演をいただきます.教育講演として情報科学における日本の第一人者であられる萩谷昌己先生(東京大学情報科学科教授)に「IT・AIによる医療知識の大衆化」についてご講演をいただきます.特別講演として認知考古学で,多くの著作がありメディアでもご活躍の松木武彦先生(国立歴史民俗博物館教授)に「考古学からみた暴力と戦争の起源」のご講演をいただきます.また,第3回国際口腔ケア学会総会・学術大会の特別講演としてMFCG(ミャンマーファミリー・クリニックと菜園の会)の代表としてミャンマーのデルタ地帯の農村部で医療,菜園,保健衛生・啓発教育を通じて住民の自立を支援する活動を行っている名知仁子先生(内科医)に,そのミッション,活動の内容について「ミャンマーの僻地医療から学ぶこと ~村の住民との響働を通じ為す世界を見つめて~」と題したご講演をいただきます.名知先生は栄養,衛生を支えるのに口腔ケアが重要であると考えていただいております.さらに,ICD講習会講演としてドクターG志水太郎先生(獨協医科大学総合診療医学講座 主任教授)に講演をいただきます.
これらの企画講演以外にも多くのシンポジウム,各部会(看護部会,歯科衛生士部会,言語聴覚士部会,薬剤師部会等)による企画,コンセンサスカンファレンス,委員会企画,指定講演,一般演題(口演,ポスター)を予定しております.ポスターセッションでは,「ポスター in Wine」と称して会員懇親会(無料)を兼ねて,飲みながら本音で議論する機会を設けたいと思っております.ワインの選択,説明は青木晃先生(内科医,シニアワインエキスパート,ワインスクール校長)にお願いしております.
楽しみながら学べる大会にしたいと思っておりますので,皆様の参加を心からお持ち申し上げます.
ご挨拶
第20回日本口腔ケア学会総会・学術大会
第3回国際口腔ケア学会総会・学術大会
副大会長 小松富恵
第20回日本口腔ケア学会総会・学術大会 並びに第3回国際口腔ケア学会総会・学術大会の開催誠におめでとうございます。
長期化する新型コロナウイルス感染症への対応にあたり、さまざまな場で活躍されている皆様へ感謝申し上げますとともに、敬意を表したいと思います。
まだまだ予断を許さない状況ですが、それぞれの領域で活動なさっている中から成果を導き出しこの大会で発表がなされる予定です。また、数々の講演、シンポジウム、ワークショップ等が展開され川又先生がおっしゃっている通り楽しみながら学べる実りある2日間になると思います。そして、口腔ケアの実践の向上につながることを期待しております。